留学レポート 留学がもたらした変化


 留学とは必ずしも楽しさだけで構成されているものではない。言葉の壁や文化の違いに戸惑い、時にはホームシックに泣く。そういったことも含めて私はあの10ヵ月を良い経験だと言い切ることができる。楽しいだけの留学は例え有意義な時間を過ごすことができたとしても、長い目で見たときに本当の意味での「有意義」は見出せない。

 そして、私には帰国することによって気付かされた変化がある。まずは誰とでも臆することなく会話できるようになったことだ。言葉が通じるということは、見て見ぬふりをする「理由」がないということでもある。見知らぬ誰かに手を差し伸べることが可能なのだ。大げさに聞こえるかもしれないが、言葉の壁とはそれほど厚いものだと私は考えている。

成田空港にて。帰国直後のチェコ派遣生8人で

 次に挙げられるのが決断力と行動力の向上である。一般に日本人の国民性のひとつとして優柔不断ということがよく言われるが、私も例外ではない。事実、留学を決意するのに2年近くかかってしまっているのだから。
しかし留学中はそうはいかない。Yes or No と、迅速に答えを要求されるのだ。慣れとは恐ろしいものである。行動力に関しては元々、オーケストラに入りたいがために一人で市外の高校を受験したり、周りにほとんど知り合いのいない楽器のセミナーに参加したりと、留学前から人一倍好奇心は旺盛だったように思う
。行動力と関連しているのかはわからないが、帰国後は良くも悪くも人に合わせることをしなくなった。そして人の目を気にすることが劇的に減った。これが良い傾向なのかどうかは視点を変えることによって賛否両論あると思うのでここでは割愛する。

帰国直前、駅前にて。ホストシスターと

 繰り返すようだが、留学経験とは必ずしも楽しいこと、嬉しいことだけで構成されるものではない。つらく苦しい期間を乗り越えて初めて意義を見出せるのである。
人間としての成長や心境の大きな変化はここに起因しているのだろう。だからこそ留学というものは得難い経験として世間に広く認知されているのだと思う。
かわいい子には旅をさせよというが、私の留学に一切反対せず出資、応援してくれた両親には本当に感謝してもしきれない。これからの日本での生活、そのことを肝に銘じて親孝行に励みたいと思う。

2013年8月 チェコ派遣
AFS59期生/AFS地域奨学生(山口県) 古川翔子

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