留学レポート 留学はかけがえのない大切な宝物


7月3日、約10ヶ月間のオーストリアでの留学を終え帰国しました。日本に帰り元の生活に戻りつつある今、心にぽっかり穴があいたかのように、どこか寂しさを感じます。しかし、この留学を振り返ると自分がこの一年、異国の地で過ごせたことに驚きも感じます。
毎日のように悩み、自分を見失い、日々ただただ自分との戦い、そこから何度逃げ出したいと思ったことか。それでも最後まで頑張れたのは、やはり私を支えてくれた人たちの存在があったからだと思います。
ホストファミリー、学校の先生や友達、気軽に声を掛けてくれた村の人たち、そして遠く離れた日本からいつも心配して、応援してくれた家族や友達など、ありがとうの言葉では言い切れないほど、多くの人がどれだけ私を助けてくれたことか。そんな人たちに出会えた事を幸せに思うとともに感謝の気持ちでいっぱいです。
ページ上写真:家族とイタリア旅行

派遣された学校は、私が行くまでは留学生についての知識も興味もほとんどない学校でした。そのため多くの先生や生徒が留学生を見た事がなく、日本人留学生が学校にいると言う噂はあっと言う間に広がり、学年に関係なく多くの人たちが私の顔や名前を知っていました。
しかし、そのことは私にとって決してマイナスの方向には行きませんでした。初めのうち先生とは全くコミュニケーションがとれませんでしたが、それでも、私のことを理解しようとしてくれた先生がいてくださったり、学校中に私のことを知ってくれている人がいたりしてくれたため、私はいつでも誰かに助けを求めることが出来ました。そのうえ、多くの人が私や日本について興味を持ってくれるようになり、仲間と学校だけではなく、放課後や休みの日などたくさんの時間を共有することが出来ました。
クラスメイトとすべて同じことは出来ない。勉強の面、文化や習慣の違い、そして言葉が理解出来ず何度も失敗をして皆に迷惑をかけたこと。一人で出来ないことがたくさんあることに、日々の楽しい時間の中に留学生と言う大きな壁を感じ何度も考え、悩みもしました。それでも、いつも私を支えてくれる仲間のおかげで、学校生活は本当に充実したものでした。

各国からのAFS留学生と

私にとって一番大変だった事はホストファミリーとの関わりでした。私のホストファミリーはパパとママと2人の弟でした。パパは私にドイツ語だけでなく学校の勉強やオーストリアの事、たくさんの豆知識を教えてくれました。ママは家族の中で唯一の女性と言うこともあったため、日常の出来事など色々な話をしたり、何かあったら真っ先に相談をしたりしました。しかし、ママは自分の意見や考えをしっかりと持った人だったために、意見が食い違うと私の考えはいつも全否定。話し合いすら出来ない時もありました。
その事について何度も悩み、ホストファミリーのチェンジを考えたこともありました。この問題は私に取ってとても複雑な物でした。なぜなら、私が困ったり悩んだりしたとき、心配しいつも親身になって考え、そして助けてくれるのもママで、そのように常に私の事を想っていてくれていることも良くわかっていて、私はママに大きな信頼を寄せていたからです。
2人の弟は3歳と5歳。やんちゃで反抗期真っ盛り、何度もけんかしたけれど、いつも笑顔で後ろを付いてくる2人は本当に可愛く、本当の姉弟のようになれました。2人はいつも私に笑顔と元気をくれました。この2人は私の生活の中にいなくてはならない存在です。だからこそ、私はこのホストファミリーと最後まで一緒にいたいという気持が強くなり、ママの考えも理解しようと思えたのだと思います。
2人の弟がいない日本。とにかく一日でも早く会いたい。声を聞きたい。今から、再会が待ち遠しいです。そして、全くの他人である私を10ヶ月もの間、本当の家族のように接し、気遣っていただいたホストファミリーに、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。

留学する前、留学とは私にとっては夢であり大きなあこがれでした。しかし、留学とは決して思い描いていたようなものではありません。日本ではしなくていい恥を毎日嫌と言うほどかき、辛い思いを何度もし、自分の嫌いな面ばかりに気づき自信をなくします。そしてほんの小さなことに深く傷つきます。
留学中、これが最後の留学、もう二度としたくない。心の中で叫んだ事もありました。しかし、その分ほんの小さな事にも大きな喜びを感じるようになりました。
留学を通して小さな喜びに気づけるようになったことで前に進み、嫌な事から逃げ出さない勇気を持てるようになりました。この留学で自分と向き合う事が出来たからこそ、周りの人の存在に気づき、感謝する事の大切さにも気づけるようになったのだと思います。
この留学は私にとってかけがえのない大切な宝物です。これからも、留学で学んだ事を胸に、常に感謝の気持ちを持ち続けていきたいと思います。


2013年8月 オーストリア派遣
AFS59期生/AFS地域奨学生(滋賀県) 西川実里

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